属人的な事業成長にはいつか限界が
事業成長のパターンとして創業期は往々にして創業経営者の強力なリーダーシップを背景としています。経営者自らが業務オペレーションを行うため迅速な意思決定とその実行がなされ、その結果のフィードバックからの対策、対応といった改善活動のサイクルも高速に回すことが可能となるからです。
そこに経営者の片腕となるような優秀な人材が確保できるとその成長速度はさらに増すことになります。
拡大する業務に対応するために人材採用やオフィス移転、生産設備増強等の設備投資を行うことで一定程度の規模までは事業は成長しますが、もう一段の成長段階に差し掛かかると踊り場的な状況に陥ることが多いのも事実です。
事業成長には組織化を検討するタイミングがある
なぜ成長が鈍化するのか。創業者の強力なリーダーシップ、一部のスター社員の活躍といった属人的な体制では事業成長に限界があるからです。積載量が決まっているトラックにそれ以上の荷物を積めないことを考えればご理解をいただけるのではないでしょうか。
ならば、スター社員と同じくらい優秀な人材を確保すれば良いということになりますが、そのような人材は他の事業者も求めており思うように採用できることのほうが稀です。
また、社内で育成しようということで成績優秀なスター社員を管理職へ昇格させるケースがありますが、現場では成績優秀な社員が管理職としても優秀とは限らないわけで思うように人材が育たないということも起こりえます。さらには最悪のケースとして、その優秀なスター社員が退職してしまうという大きな損失を招く可能性もあるのです。
つまり、事業の運営体制を機能単位でくくり(ユニット化)、組織化して有機的に連携するしくみを構築することが必要な時期にきている、ということなのです。
機能をユニット化する
機能のくくり(ユニット化)は、各社固有のプロセスでの検討が必要です。事業の成長に伴い業務フローが個別最適化されている状況がほとんどですので、事業全体と中期的なビジョン達成に向けた全体視点から再設計することが重要となるのです。
現状の各業務の機能をくくる
それぞれの機能の役割、責任限界を設定する
全体最適の視点から事業全体の業務設計を行う
社長自ら全社に浸透させ改革を断行する
構想の重要性
ビジネスプランの策定や業務設計に正解はありません。なぜならそれは事業者それぞれに独自のものだからです。
大きな意味でのビジネスモデルとしては事業者間で共通となるものもありますが、一方で事業者それぞれに何かしらの差別化のポイントとなる「違い」「特徴」があるものです。
ゆえにテンプレートそのままでのビジネスプランや業務設計では不整合が生じ、成長どころか逆効果となってしまう危険性があるのです。
そして未来へ向けたビジネスプラン策定、業務設計を通じて事業や組織の行く末を中長期的に計画、設計していこうとするとき、そこにはビジネスオーナーたる経営者の構想が何よりも重要なのです。
あなたは自社の事業や業務、従業員の働く姿に対して将来の構想をもてていますか?
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